スカルラッティのソナタ [音楽]
久しぶりに音楽の話題を取り上げましょう。
バッハやヘンデル、あのF・クープランやラモーと同じ時代に、1685年にナポリに生まれ、1757年マドリードに没している。
ドメニコ・スカルラッティといえば、何といっても“マリア・マグダレーナ・バルバラ王女のための555曲の練習曲(ソナタ)”という作品でしょう。といっても、私も全曲を聞いているわけではありません。何しろCDで34枚というもので、いまだに買おうか迷い続けています。通して何回聞く機会があるだろうか?自分に問いかけてしまいます。ソナタ全曲集をお持ちの方は、いますか?
それでも、スカルラッティのソナタ集は、ホロヴィッツ、チッコリーニ、ポゴレリチ、スコット・ロス、ケフェレック、そして、スカルラッティの作品番号の名づけ親であるラルフ・カークパトリック演奏のCD、他NAXOS版など何枚か持って聞いてはいます。
私がスカルラッティに関心を持ったのは、実はある映画の中で紹介されていたことがきっかけでした。
以前、紹介したことのあるマイケル・チミノ監督「シシリアン(1987)」です。筋としては、1947年、シシリア島。農民に土地を分け与えるため立ち上がった若者ジュリアーノ(ランバート)は山賊等と手を組んで、搾取階級から金品を奪い続けた。マフィアのドン(アックランド)の支援を受けつつも、共産党寄りのその行動のせいで次第に追い詰められていく(allcinemaの紹介文)、というものです。
地主であるボルサ公爵を拉致しようとジュリアーノの手下が、公爵邸を襲うシーンがあります。そのやり取り中、公爵の部屋の蓄音機のレコードから音楽が流れ、興奮気味のジュリアーノの手下が、音楽を耳にして落ち着きを取り戻していきます。
(ジュリアーノの手下)「いい音楽だ」
(ボルサ公爵)「そうだろう スカルラッティだ」「島出身だよ 彼もぜん息を患っていた」
「外は雨かな?」
(ジュリアーノの手下)「いいえ」
というセリフがあります。
この島とは、シシリア島のことなのですが、ドメニコ・スカルラッティはナポリ生まれです。このセリフは間違いなのか、というと、あのケフェレックのピアノ・ソナタ集
のCDライナー・ノートに「シチリア島の出であるが、何代も前からナポリに住みついていたスカルラッティ一族・・・」という紹介があります。
確かに映画の中のレコード盤から流れるピアノ演奏のソナタも、美しい。しかし、残念なことに、これがソナタの何番の曲か、私にはわかりません。
私が聞いた中で、一番気に入ってる曲は、ソナタト短調 K.8(L.488)です。
ほとんどが明快で明るい曲のなか、ちょっと独特な印象、静寂や葬送のイメージも感じられます。
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